心地をかたちに

さらっと、すごく本質的なことが書いてあって、ハッとした。
「mederu」の、季節ごとに届く、丁寧に編集された冊子が楽しみ。

 

ものを作る工程を思い浮かべていただくと、最初にデザイン画を描くことや、思いのままにかたちを作ることを想像されるかもしれません。私たちのもの作りはまず、”心地”を思い描くことから始まります。ジュエリーを身に着ける時、どんな気分になるだろう。どんな気持ちになるものなら、身に着けたいと思うだろう──そう考えるたびに、例えば背筋が伸びるような気分や、安らぎや温もりといった、形にならないものに行き着きます。

さらに初めにあるのは、作り手としてではなく使い手、いち個人としての視点。暮らしのなかにある気づきは、もの作りへのきっかけをくれるものです。
「新しいカップをとても気に入って、コーヒーを淹れる時間が楽しい」「着心地がよくて、何年も手放せないシャツがあって」そんな会話をよくするようにしています。

それらを「どうしてそのカップを気に入ったのだろう」「そのシャツの着心地のよさは、どこからきているのだろう」と言った問いに変えていくと、素材の質や愛せる形のニュアンスといった魅力に気づかされます。

日常で出会う「いいな」と思う瞬間に、ものはどう関わっているのだろう。それを探ることがジュエリー作りのヒントになるのではないか。そんなことを日々考えながら、もの作りに取り組んでいます。

(mederu jewelry BOOK/2015 Autumn-Winter No.15「心地をかたちに」より引用)

 

mederu jewelry

コメントを残す

CAPTCHA